2018年08月20日

『ペンギン・ハイウェイ』ちょっと感想(ネタバレあり)



高名で年配の科学者が可能であると言った場合、その主張はほぼ間違いない。また不可能であると言った場合には、その主張はまず間違っている。
可能性の限界を測る唯一の方法は、不可能であるとされることまでやってみることである。
十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない。
――「クラークの三法則」



 「わからなさ」から生まれた怪異や神仙、魔法の類は、科学技術の発達によって世界の片隅へ追われてしまった。しかし現代では、その科学こそが「わからなさ」を孕むものとなり、新たなファンタジーに変貌してはいないだろうか。事実として、童話的なメタファーなしに、高度なテクノロジーを子供に説明することはできないだろう。(そういった意味で、インターネットを実世界に擬した『シュガー・ラッシュ:オンライン』は、現代の子供の感覚に寄り添う作品かもしれない)
 怪異を殺した科学が、再び怪異となって立ち現れてきた現代。『ペンギン・ハイウェイ』は、改めて科学の視座で怪異へ立ち向かう、ひと夏の冒険物語だ。
 鑑賞者である我々は、大人になるまで3800日余りの小学四年生「アオヤマくん」と目線を同じ高さに置く。それは、執拗に画面中央へと配置される「お姉さん」の「おっぱい」への窃視という、共犯行為からもたらされるものだ。アオヤマくんのように目を背けてしまいたくなる、とはいえスクリーンから目をそらすのも躊躇われるという気恥ずかしさを共有することで、我々は彼とともに冒険に出るための靴を履くことができる。
 アオヤマくんが挑むのは、我々の現実と重なるようで重ならない世界の「SF=すこし・ふしぎ」な謎だ。こちらの世界にもペンギンは生息しているが、日本の内陸部を跋扈してはいないし、コーラの缶を放り投げてもペンギンに変化することはない。=ではないが≠でもない、「≒の世界」の謎を解き明かすため、我々はアオヤマくん達と一緒に地道な検証を続けていく。思えば、現代の生活で感じる程度の疑問は、インターネットや書籍をもってすればたいていは解決できるようになってしまった。しかし「≒の世界」に無知である我々は、その謎についても手探りで解決しなければならない。そのことが浮き彫りになった瞬間、日常に潜むファンタジーとの出会いに童心へ返ったかのように胸が躍るのだ。
 大人である鑑賞者でも、子供と並ぶ視点で違和感なく見ることができるのは、作中世界において大人が排除されず、かといって子供を抑圧する存在でもなく、ストレスのない関係を築いているからだろう。年齢に関わらず言動に理があれば認める一方で、本当に危険な場面では声を荒げて止めることも厭わない。疑問があれば、答えではなく考え方を伝授して導いていく。2018年現在では、『サマーウォーズ』で提示される肉厚な家族観よりも、こちらに理想を感じる人は多いのではないだろうか。とはいえ、どんなに大人びていてもアオヤマくんが子供であることは紛れもない事実だ。子供同士では老成しているとすら表現できそうなアオヤマくんも、お姉さんや父親と並べば(言動は変わっていないのだが)なぜかとても子供じみて見えるから不思議に感じてしまう。
 「すこし・ふしぎ」な謎に、アオヤマくんや友達が挑む「必要」はなかった。それでも彼らは探究心に駆られて立ち向かう。やむにやまれず世界の謎を背負っていく「セカイ系」の特徴とも異なる新鮮な在り方だ。しかし、それに違和感を覚えることはないだろう。なぜなら、鑑賞している我々もまた、アオヤマくん達と一緒に謎に取り組みたいと感じさせられてしまうからだ。白黒がはっきりと分かたれたペンギンは、規則正しく歩を進め、世界の解を導いていくようでもある。
 「世界の謎」と「お姉さんへの気持ち」は、アオヤマくんにとっては対等に大切な研究課題だ。後者を世界の果てへと閉じ込めてしまったアオヤマくんは、その不可解な謎を解き明かそうと、お姉さんを憧憬しながら研究を続けていくのだろう。しかし、思い返されるのは、お姉さんもまた「海辺の町」を写真に閉じ込めて憧憬する存在であったこと。電車という「科学」では、遂にそこへ辿り着くことはできなかったことだ。アオヤマくんが誰かにとっての「お兄さん」になる日が来るとしても、ひと夏の冒険の末に閉じ込めた思いは解放されることはなく、『Good Night』の中でだけ出会えるのかもしれない。
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2018年05月27日

『キルラキル』感想+yubit講演会やります

「リズと青い鳥」強化月間の息抜きに。
Fordです。

過呼吸にはならないんですが、毎回みぞおちが痛くなりますね…


■『キルラキル』感想(ネタバレあり)

今期アニメに完全に乗り遅れてしまったので、「なんかアマゾンプライムで強いアニメないですか」と知人に訊いてみたところ、複数名から『キルラキル』を勧められたので見てみました。
(その前に推薦する声があった今期アニメ『ヒナまつり』は1話の4分12秒時点で断念)
いやー面白かったです。自分は作品の難しいことがよく分からないので、まず画面が飽きないことがポイント高かった。『宇宙よりも遠い場所』なんかと同じく、情報量多めで遊び心に溢れた感じですね。
このところしばらく女子高生が葛藤する作品ばかり見ていたので、こういったバトルものに順応できるか非常に心配だったのですが、そんな気持ちを吹き飛ばすくらいキャラクターにもストーリーにも音楽や演出にも魅力があって一気に見られました。というかキルラキルも女子高生が葛藤する作品でした。
きわめて個人的な話ですが、まずキャラクターのテーマカラーが黒と赤だと無条件で格好良くて加点してしまうんですよね。つまり纏流子が大好き。彼女が大暴れしてるだけで楽しい。「なんだかよくわからないけど反体制の象徴」みたいな纏流子が、「なんだかよくわからないが圧倒的な体制側」の鬼龍院皐月と出会うところから始まって、秩序と混沌、体制と反体制という構図はずっと維持されつつ、出し惜しみすることなく次々に入れ替わり立ち替わりながらストーリーが進んでいくのも爽快でしたね。
アウトローの流子と生徒会長の皐月(および学校)の対立から始まり、それを学生という体制側から破壊しようとして(なの理不尽な『ノー遅刻デー』を守るため頑張る4話が好きです)、と思ったら学校の外には世界的企業という更に圧倒的な秩序があり、更には陰謀論の如き宇宙人のシステムがあり……という事情が分かったところで、学校側が体制の破壊者に回ったり、反体制にあって反体制の抑止を行うモヒカンが出てきたり、更には流子が体制側に取り込まれたりと、ポジションの逆転がものすごい勢いで繰り広げられていく。現在の関係性を端的に示してくれる表現(なんだかよくわからない揚げ物×執事のお茶で食事するシーンとか)も多くてわかりやすかったです。3話の時点で流子と皐月が張り合えるようになってしまって、まさかあと21話を雑魚戦で繋ぐのか!?と危惧してたら、もっと大きい枠組みで盛り上げる形でした。
10話以上一気に見たせいで集中力切れもあり、終盤だんだん敵が本当によく分からなくなってきてしまって、人間であるはずの鬼龍院羅暁に個人的な目的が見えなかったのがちょっと引っかかった(体制側のトップなので個人が無いと言えばまあ?)んですが、そんな小さい悩みを忘れて鑑賞できるほどBGMや声の演技、そして台詞回しのパワーが凄かった。
特に台詞回しは非常に気に入ってます。「これ以上脱ぐものはないが、無い袖を振るのもヌーディストだ」とか、ストーリー上は筋が通っているものの、わけがわからなくて最高ですね。マコのギャグパートも味があるメタ発言で、メタ視点に誘導してくれたおかげで最終盤でも熱さ・シュールな笑いを両立して視聴できた感があります。調べたら脚本の中島かずきさん、劇団☆新感線の座付作家なんですね……物凄く納得してしまった。
これは完全に自分個人の問題なんですけど、いわゆる(僕の周囲だけでいわゆっている)うおお系というか、無我夢中で熱くなる!みたいなことは、もう出来なくなくなってしまったなと痛感する鑑賞体験でした。だらだらと述べてきた通り、それを差し置いても楽しめる要素が非常に多く、見てよかった作品でした。
あと、6話まで見たところで市場調査の使命感に駆られて薄い本の探索をしてしまい、血縁関係にかかるネタバレを踏んでしまったのが悔やまれますね。次にアニメ見るときは薄い本とウィキペディアは最後まで控えることにします。


■yubit映研オープン企画 「LWのサイゼリヤ」特別講義(仮)
7/21(土)池袋近郊で、「LWのサイゼリヤ」でおなじみのLWさんを中心とした面々で講演会を開きます。
↓仮告知はこちら↓
https://twitter.com/fofoford/status/1000711868053258240

前々から、映研以外のメンバー呼んで鑑賞会やりたいねという話や、LWさんを椅子に縛り付けて映研推し作品を見せたい(基本的に好みが合わない)という話はしていたんですが、ちょっと違う角度でオープン企画が実現しました。
LWさんのプレゼンを中心に、LWさん以外のTCGプレイヤーや映研部の紹介、参考映像の鑑賞なんかもできたらなと。自分はプレゼンへったくそなのでおそらく何も喋らず裏方に回るものの、ある意味で今年の納涼祭の代わりにアウトプット?する部分が有るような無いような。
時間配分的にも、「LWのサイゼリヤ」読者がメインターゲットになるかとは思いますが、映研や講演者に誰かしら知っている人がいるのならたぶん楽しめるのではないかと思います。
どうぞお気軽にご参加下さい。正式告知はtwiplaにて後日!
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2018年02月26日

「さよならの朝に約束の花をかざろう」感想

※ネタバレを多く含みます



「別れ」とは、何故辛いものとされているのでしょうか。
学校の友人や会社の同僚など、今日会って明日も会うであろう人達と別れるのは、さして辛いものではありません。時には開放感すら覚えることもあるかもしれません。
しかし、それが二度と会えないものであるなら、途端に気持ちが変わってきます。普段仲良くない人ですら、今生の別れともなれば話が尽きないでしょう。
不可逆を感じるからこそ、別れとは辛いものなのだと思います。
人は一生のうち、様々な出会いと別れを経験します。その中で最も不可逆なものが「誕生と死別」です。

「さよならの朝に約束の花をかざろう」は、別れを大きなテーマとする作品です。
本作の主人公は「別れの一族」と呼ばれるイオルフの民という種族です。見た目は人間とほぼ変わらない(作中では金髪・赤目という特徴も描かれますが、アイコン的なもので大きな意味はありません)のですが、人間と比べて非常に長命であるために多くの別れを経験することからこう呼ばれています。(あくまでも人間を基準とした呼び方ですね)
離別の辛さ故に、外界との交流をほぼ絶ち、一族のみで集落を形成して織物で生計を立てています。
そんな種族の一員であるマキアという女の子が、戦乱に追われ落ち延びた先で、後にエリアルと名付けられる赤ん坊を拾うことから話が始まります。

人は、自らの親や子の「誕生と死別」の双方を見ることはありません。多くの例外はあるものの、親の最期を看取り、子の出生を目にするものです。
しかし、生まれ持っての長命であるマキアは、エリアルの誕生(と言っても差し支えない出会い)から死去までを共にし、自身はその後も生き続ける運命にあります。作中においても、同じ一族からはその覚悟を問われ、人間側からは奇異な扱いを受け続けます。
マキアという横糸が、エリアルという縦糸と出会い、生を共にすることのないはずの人間達、そして人間である自分の子と触れていく。出会いと運命付けられた別れが、果たしてどんな織物として昇華されるのか。これが本作の骨子です。

マキアは一族の中でも、親がおらず「ひとりぼっちである」ことから、同じ境遇である孤児のエリアルに共感し、弱冠15歳にして母親としての道を歩み始めます。
赤ん坊から次第に成長していくエリアルも、母親が自分と異なる存在であることにやがて気付いていきます。
長命とはいえ、これまでマキアが過ごしてきた生はまだ15年です。子供をどう扱っていいか分からない時もあれば、親の苦労を分からない子供に匙を投げかけることもあります。エリアルもまた、母親によって理由を告げられず繰り返される友人との別れや、周囲から奇異の目で見られることに苛立ち、反抗的な態度を見せてしまいます。
時が経ち、「親離れ」をして妻子を持ったエリアルは、あるとき偶然マキアと再会することとなります。エリアルがもうひとりぼっちでないと知ったマキアは、静かに彼との別れを告げ、一族のもとへ帰ってゆきました。
そして、終にはマキアとエリアルの積み重ねが結実する「最期の別離」に辿り着くのです。
中世ファンタジー的な世界はどの場面も大変美しく、主張しすぎない音響と共に、ストーリーを盛り上げてくれます。
概して衝撃の強いシーンである「戦い」も何度か挿入されるのですが、そちらに比重を置きすぎず、別れという本筋を淡々と追っていく姿勢にも好感が持てました。
本作の脚本・監督を務めた岡田麿里は、両親が3歳頃に離婚し、母と母方の祖父との3人家族で育ったそうです。
岡田麿里はキャラクターに自己投影をしがち…という言説はよく見られますが、もしかするとそういった経験が活きているのかもしれません。

「別れの一族」という導入からして凄まじい感傷力が伝わってくるものの、いまいち感情移入しきれない部分も少なからずありました。
自分が子育てどころか結婚すらしておらず、今生の別れをそこまで多く経験していないという精神的な未熟さも当然あるのですが、総じて不満だったのは「この話、人間が人間を拾う話でもそんなに変わらなくないか?」というところです。
イオルフ族は長命であり、(同種族以外との)別れの辛さ故に外界との接触を断っているとされています。しかし肝心の別れについて、「エリアルの方が先に死ぬのにな」「愛すれば、本当のひとりになってしまう」と、八つ当たり的な発言や村の言い伝えレベルでしか出てこないので、そこまで辛いという感覚がいまいち伝わってきません。必然的に、それでもエリアルを育てていこうというマキアの意志の強さや尊さに繋がらないのです。
必要であったのは、人間界で別離を繰り返した果てに心が擦り切れてしまったイオルフの実例ではないでしょうか。外界で暮らすハーフイオルフのおじさんが作中で何度か登場し、ほぼ見た目が変わらない彼も長命であると推測されますが、出てくるたびに酒を飲みながらポエム的なセリフを言うばかりで「結構楽しく暮らしてるじゃん!」という印象を受けてしまいました。
また、マキアの「種族に対する思い入れの無さ」も、彼女が別れの一族である意味合いを薄く感じた理由です。
そもそも彼女は、一族の中でも疎外感があることから、同じひとりぼっちのエリアルに共感し親となるのですが、中盤でエリアルが親離れをして以降、突如として(半ば強制の気配があるにせよ)仲間を助け出す戦線に身を投じます。
まして、それがエリアルの属する国との戦争であることに気付かないはずがありません。マキアの中での重要度の天秤が曖昧なため、同じ種族の友人をどう思っているかが不明瞭で、結局マキアが一族のもとへ帰る描写も唐突と感じてしまいました。
作中で集中的に描写する必要があるかは微妙なところですが、イオルフは長命であれど不死ではなく、別れの一族の中でも寿命による出会いと別れがあるはずです。これは「指輪物語」における人間とエルフの関係とは明確に異なります。彼らがそれをどう思っているかが不明確であることも、なぜ人間との接触ばかりを避けるのかという疑問に繋がり、気になってしまいました。
加えて、描かれる「別れの層の薄さ」です。本作の時間軸は、
・マキアがエリアルを拾い育て、妻子を持ち自分の居場所を得たエリアルと別れるまで
・エリアルの今生の際に再会し、看取るまで
という2つに分かれています。(後者はラストシーンのみですが)
マキアに関わる永遠の別離で、前者で描かれるものは、
・マキアを助けた家族が飼っていた犬
・マキアと関係のないところで亡くなっていたクリム(同種族の男性)
程度で、「種族が違う」ではなく「国が違う」でも、基本的に同じ話になっていたのではないでしょうか。
マキアとエリアルの関係性をシンプルに追っていることも本作の良さであり、これらすべてを盛り込んでしまうと全く異なるものになってしまいますが、「別れの一族」という二つ名を強調できるエッセンスはもう少し欲しかったです。

台詞回し的には、漠然とした表現の多さ、世界観についての言及の少なさが気にかかりました。
一例として、マキアとエリアルは「(相手を、自身が)守る」という表現を多用します。
これは、ありがちな恋愛小説で用いられる場合と同じく、具体性が感じられません。
また、イオルフの民は長命の種族として語られますが、実際にこれが「ほぼ不老不死」か「400歳くらい」かで、別れの辛さの印象は結構変わってくるのではないでしょうか。登場する世界の風景が美しいからこそ、より背景設定をイメージできるような描写が欲しかったと感じます。
(「総集編のような作品」とは、同行した友人の言です)

僕の鑑賞後の一言目は「岡田麿里、最近子供産んだんですかね…?」でした。
これは「危惧」です。先に触れたように、岡田麿里はキャラクターに自己投影するタイプの作家であるというバイアスの下で、親に対して守る守れないと思い悩む子供は、まるで子供に対する理想像を押し付けているように取れました。
僕が以前、自主制作映画的に「君の名は。」の予告編を撮影した際に三葉役を演じましたが、もしもこれが女性化願望によるものだとしたら嫌な生々しさを感じてしまうかと思います。岡田麿里という作家性を考えると、もしかしたら…という疑念と共に、なんとなく気持ち悪さを覚えてしまいました。
ただ、これは子育てをテーマとする作品に根付いた難しさで、誰が制作しても多かれ少なかれ同じ感情を抱いていたとも思います。我々は皆子供であった頃を経験していて、そのときに「親を守る」などという感情を抱いた人は稀だからこそ、感情移入がしづらい部分です。

「初監督作品にしては良いのでは」という感想が多く見られており、僕もおおむねそういった評価です。不満点を長々と述べたにしてはがっつり泣いてしまいました。
ファンタジーであり「ここさけ」「あの花」とは違う印象ではあるものの、この美麗な世界観で違う映画が作られるのならまた見てみたいですね。
最後に。
前項の、岡田麿里という作家性について僅かでも感じるところのある方には、パンフレット購入を勧めます。
監督インタビューには、興味の対象を「作品」から「岡田麿里というコンテンツ」に引きずり込んでしまうほど強力な内容が記されていますので……。
posted by Ford at 00:31| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年08月27日

かもめ亭11.03環境【ラヴァル】解説

最近は大会を開いてみたり、ミニゲームを考えたりしてました。
Fordです。

炎属性リンクが来たら本気出す気はあります。


曲は良かった……。



■かもめ亭26〜Re:call〜
「かもめ亭26」という、2011年3月環境のオフ会で【ラヴァル】を使って優勝してきました。

過去環境といっても、一部ルールが当時と異なる「かもめ亭11.03環境」です。
具体的には、11.03当時の禁止制限+カードプールに加えて、
・先攻ドロー無し
・マスタールール3および現行のエラッタ適用(《ライトロード・ハンター ライコウ》など)
の2点です。特に前者は先攻の安定性が落ちるため、デッキ選択を揺るがすほど大きな変化となります。
よりイメージを掴みたい方は、帝さんの記事を是非お読み下さい。



■11.03ラヴァル構築
【ラヴァル】が環境に食い込み始めたのは「DUEL TERMINAL −星の騎士団 セイクリッド!!−」の発売以降です。
このセットで得た最大の強化が《炎熱伝導場》です。『デッキから「ラヴァル」と名のついたモンスター2体を墓地へ送る。』というシンプルなテキストながら、「ラヴァルモンスターを墓地に送る→《真炎の爆発》で呼び出す」というラヴァルデッキの基本的な動きを確立しました。
ですが、11.03当時は伝導場が存在していないため「ラヴァルモンスターを墓地に送る」アクションに難が生じます。
伝導場リリース前は【ラヴァル】が環境デッキとして成立しなかったことからも、非常な痛手であることが分かるかと思います。
(補足すると《カードカー・D》《ラヴァルバル・チェイン》《焔征竜−ブラスター》あたりも登場していません)
そういった背景を踏まえて、今回使用したデッキがこちら↓

モンスター(18枚)
冥府の使者ゴーズ
ラヴァル炎樹海の妖女
ラヴァル炎湖畔の淑女×2枚
ラヴァル炎火山の侍女×3枚
ラヴァルの炎車回し×3枚
ラヴァルのマグマ砲兵×2枚
ラヴァル・キャノン×3枚
フレムベル・ヘルドッグ×3枚

魔法(12枚)
封印の黄金櫃×3枚
増援
真炎の爆発×3枚
月の書
ハリケーン
サイクロン×2枚
おろかな埋葬

罠(10枚)
奈落の落とし穴×2枚
神の宣告
神の警告×2枚
激流葬
炎塵爆発×3枚
異次元からの帰還

エクストラデッキ
A・O・J カタストル
A・O・J ディサイシブ・アームズ
TG ハイパー・ライブラリアン
アームズ・エイド
インヴェルズ・ローチ
エンシェント・ゴッド・フレムベル
スクラップ・ドラゴン
スターダスト・ドラゴン
ブラック・ローズ・ドラゴン
ラヴァル・ステライド
ラヴァル・ツインスレイヤー
ラヴァルバル・ドラグーン
ラヴァルバル・ドラゴン
氷結界の龍 トリシューラ
氷結界の龍 ブリューナク

サイドデッキ
D.D.クロウ×2枚
N・グラン・モール
ブラック・ホール
ライオウ×3枚
ライトロード・ハンター ライコウ×3枚
禁じられた聖杯
御前試合×3枚
聖なるバリア −ミラーフォース−

伝導場込みのラヴァルは、基本的には伝導→爆発という動きを実直に遂行するデッキです。
それが不可能となる今回、「罠を構えてビートダウンしながらラヴァルの攻め手を使っていく」構築にしました。
そのプランを支えるのが《フレムベル・ヘルドッグ》と《炎塵爆発》の2枚です。

《フレムベル・ヘルドッグ》
1900という高打点を持つ《真炎の爆発》対応モンスターです。
下級モンスターを軒並み屠りながらビートダウン可能なステータスは、墓地準備が整うまで盤面が薄くなりがちなラヴァルの弱点をフォローしています。
相手がマッチ2戦目から墓地対策を増やして除去を薄くした場合、ヘルドッグと罠だけで勝利できる試合すら存在するほどです。サイドデッキの投入率が高い《ライオウ》とも相打ちを取れます。
効果も強力で、《ラヴァル炎樹海の妖女》を呼び《ラヴァルバル・ドラグーン》をシンクロ召喚することで、伝導場並の墓地肥やしが可能です。
ラヴァルネームを持たないので《炎塵爆発》で除外されず《真炎の爆発》で即時蘇生が出来る点や、《王宮の弾圧》を回避して戦線を伸ばせるのもポイントです。

《炎塵爆発》
「対象を取らない複数枚破壊」を叩き込む、11.03最強の罠です。
バック全体除去が大嵐や羽根箒ではなく《ハリケーン》であるため、(ジャンド以外の)どのデッキでも罠の採用枚数が多いうえに複数枚伏せてくるので、1:多交換が容易に決まります。決勝戦では2本目・3本目ともに炎塵で1:5くらいの交換を決めて勝利の目を摘み取りました。
また、炎塵の後押しによってオーバーアクションが許容されるのも大きなポイントです。
どういうことかというと、
1,「ラヴァルの非チューナー」+「ラヴァルのチューナー」でシンクロ(自分△1)
2,シンクロモンスターを罠で除去される(相手△1,自分△1)
ここまでのカード消費は、自分が2枚・相手が1枚で損をしています。
ですが、このあとに炎塵を発動すると、1:2交換が成立してアドバンテージが拮抗状態に戻ります。除去されたシンクロがラヴァルモンスターであれば、炎塵で1:3交換となりなんと得をします。
簡単な例としては《封印の黄金櫃》で《ラヴァル炎樹海の妖女》を除外し《ラヴァル・キャノン》で特殊召喚、という動きです。
2枚のカードを消費する、相手が多伏せしている状況ではリスクの高いプレイですが、除去されても《炎塵爆発》を即時叩き込めるとなれば話は別です。
墓地リソースを1枚で空にしてしまうため、採用枚数は迷っていたのですが、この計算に気付き思い切って3枚投入としました。


以下、その他のカードをピックアップして解説していきます。

《ラヴァルの炎車回し》
伝導場の登場前から存在していた、被戦闘破壊時に《炎熱伝導場》を打ってくれるモンスターです。
いくら過去環境といっても《氷結界の龍 トリシューラ》や《イビリチュア・メロウガイスト》が飛んでくるので、発動条件はあまりにも不安定です。
ヘルドッグからのルートだけではどうしても墓地肥やしが安定せず、かといって他に有用なカードも見つからず、泣く泣く採用に至りました。
とはいえ【六武衆】【HERO】などのビートダウンデッキ相手にはライフを守りながら墓地を肥やせる堅実さがあり、《UFOタートル》の採用まで検討していました。

《冥府の使者ゴーズ》
《神の宣告》《神の警告》《異次元からの帰還》とライフコストが嵩みますが、1枚で戦線を維持できる強靭さを優先しました。
墓地リソースがない序盤は《炎塵爆発》も手札で寝かせておくことが多く、初ターンで伏せられるカードが実は少ないため、割と登場機会があります。
【六武衆】相手の勝率が高くないので、メインから耐性が付くのも良い点です。
ただ、中盤戦以降で引き込んで手札で腐ってしまうシーンはあり、採用継続は悩み所です。

《封印の黄金櫃》
最後まで採用するか迷ったカードです。
今回構築では安定した墓地肥やしに戦闘経由が必要となり《真炎の爆発》を加えてもそれほど安定して打てません。適当な罠カードと入れ替えてビートダウン色を強めても良かったかもしれませんが、調整時間の短さも相俟って今回は残したままとしました。結果的に、櫃キャノンで勝利に貢献した試合が3本ありました。
正着手かは怪しいですが、墓地を肥やせる目が薄い状況下では、櫃は手札にあっても打たずにキャノンを待つことが少なくありませんでした。決勝戦2本目では初手に黄金櫃3枚握って絶望し掛けましたが、2枚で《ハリケーン》《ラヴァル・キャノン》を回収してからの3枚目でラヴァルチューナーを除外し、決め札となりました。
ちなみに《強欲で謙虚な壺》の不採用は、《カードカー・D》《真炎の爆発》《炎熱伝導場》がある頃に比べて、加えて嬉しい(すぐ使える)カードが少なく、1ターン動けないデメリットに見合わないためです。

《異次元からの帰還》
採用を迷ったカード・その2です。
《真炎の爆発》並のパワーはあるものの、いかんせん罠という遅さ、墓地肥やし→更に除外の1アクションが必要となる点が気にかかりました。
奈落激流宣告警告炎塵以上の防御札や、帰還以上の展開札も思いつかず、今回は採用続行としました。
《大嵐》が存在しないので思った以上に除去されづらく、2回ほど帰還で試合を決めています。


エクストラデッキは割愛します。
調整過程を含めて最も使っていないのは《アームズ・エイド》ですが、《ラヴァルの炎車回し》やサイドカードのモンスターをシンクロ素材に還元したいときに役立ちます。
以下、サイドデッキです。


《D.D.クロウ》×2枚
【ジャンド】【ドラグニティ】などのメタ。【アライブ剣闘獣】にも入れます。
直前まで3本だったところ、クイックジャンドやアラ剣を意識して、1本を《エフェクト・ヴェーラー》に差し替えました。(その後《禁じられた聖杯》に変更)

《N・グラン・モール》
《真六武衆−シエン》や、【カラクリ】が出す《ナチュル・ビースト》《ナチュル・パルキオン》を突破します。

《ブラック・ホール》
同じく《真六武衆−シエン》のメタとして考えています。《炎塵爆発》がフリーチェーンなので、重ねて打てれば有用です。
全体除去ゆえ、1キルをかまされる頻度が低いメタ外中堅デッキにも順当に効きます。

《ライオウ》×3枚
2本目以降《D.D.クロウ》などの墓地対策カードを増やされる傾向にあるので、軸をずらして戦えるようにしました。
直接アドは生まないものの、【ジャンド】【代行天使】【ガジェット】【TG】などの行動を阻害し、時間稼ぎに貢献します。

《ライトロード・ハンター ライコウ》×3枚
エラッタによって超強化されました。
対象を取らなくなっただけでなく、効果解決時に破壊するかどうかを決めるので《スターダスト・ドラゴン》や《六尺瓊勾玉》をすり抜けます。
【六武衆】【HERO】【旋風BF】など、ビートダウンデッキ全般に対して投入します。おまけの墓地肥やしも《炎塵爆発》の補助など、結構良い仕事をしてくれます。

《禁じられた聖杯》
直前まで《エフェクト・ヴェーラー》だったのですが、【ジャンド】相手に投入した《ライオウ》が《ライトロード・ハンター ライコウ》に狩られる場面が見られたので差し替えました。
【アライブ剣闘獣】も、伏せ対策は《トラップ・スタン》や《盗賊の七つ道具》といった罠阻害がメジャーであり、場に伏せるデメリットも問題ない範囲と判断しました。
《大天使クリスティア》や《真六武衆−シエン》といったシステムモンスター対策も、ヴェーラーには出来ない役割です。

《御前試合》×3枚
【ジャンド】【六武衆】のメタです。こちらは炎属性のみでシンクロを立てながら戦闘でき、一応《炎塵爆発》で解除も可能です。

《聖なるバリア−ミラーフォース−》
ラヴァルが苦手とする戦法のひとつに、速攻ビートダウンがあります。決勝戦1本目もライオウ・偵察者・暗殺者の3体によってライフを一瞬で消し飛ばされました。
そういったプランを取れるデッキに対しての抑止力として投入します。もしメインに罠を増やすならミラーフォースになるかと思います。



■各デッキ相性
【六武衆】
ビートダウン速度が早く、ライフを守り切るのが難しいため基本的に不利です。
一度場を崩せれば再展開性能は低いので、《炎塵爆発》と《ラヴァル・キャノン》をいかに通すかが鍵です。

【ジャンド】
そもそも展開性能はジャンドの方が高く、《ラヴァルの炎車回し》が紙屑になり《フレムベル・ヘルドッグ》は《ライトロード・ハンター ライコウ》に狩られ……と、良いところがありません。
相手の妨害札は少ないので無理にでもビートダウンを敢行します。《エンシェント・ゴッド・フレムベル》をうまく投げたいところです。

【代行天使】
《神秘の代行者 アース》は《フレムベル・ヘルドッグ》の格好の餌です。
攻撃札は《創造の代行者 ヴィーナス》からの展開と《マスター・ヒュペリオン》と、1枚1枚は強力ですが弾数が少なく、一度弾ければ時間を稼げます。
どこを除去すべきか考えつつ、キャノン爆発までこぎつければ有利に立ち回れます。《ガチガチガンテツ》も《ラヴァルバル・ドラゴン》で容易に対処できます。

【ガジェット】
どんな状況でも《血の代償》をめくられた瞬間9割方負けになります。
《炎塵爆発》があるなら《ラヴァルのマグマ砲兵》で炎属性を1体切っておくなど、できるかぎり対処できる体制をとっておきます。


ちなみに戦績は、
・予選スイス
【スキドレTG】○○
【ライロ】×○○
【暗黒界】×○○
【TG代行】○×○
・本選トナメ
【ガスタ】◯×○
【TG代行】○○
【墓守】×○○

と、傷勝ちが多いものの7-0できました。
【代行天使】が多いとのメタ読みが当たり、【六武衆】【ジャンド】とマッチアップしなかったのが非常に幸運でした。


【ラヴァル】自体は、環境に苦手なデッキジャンルも多く、かもめ亭11.03環境にベストマッチだとは思っていません。
前回の同環境大会で【ドラグニティ】を使ったものの、立ち回りをかなり忘れていてプレイミスを連発してしまい、「少しでも短い練習時間で戦えるデッキを!」ということで選択するに至りました。
所詮はゲートボール大会で、言ってしまえば何が懸かっているわけでもない自己満足です。
結構楽しいので、皆さんも是非昔使っていたデッキや使いたかったデッキを練り直して、遊んでみてください。
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2016年10月16日

「四属性ドラフト」秋ドラ2・確定プール

fordリスト.png

秋ドラ・第1プールAとして使用する確定リストです。
仮プールからの主な変更点として、
・1巡を「3パック+EX1パック」→「18枚入の1パック」に
・パワカを1パック2枚に減らし、弱めのパワカを通常枠へ引き下げ
・属性精霊(《ギガンテス》等)を全属性に導入
・他、使用頻度が低いモンスターや魔法罠を入替
と、パワーレベルは保ちつつ修正を加えています。

第1プールは、Fordドラフト・カイザドラフトを「当日先着」で選びます。
どちらかに必ず参加したいという方は、お早目にご来場下さい!

また秋ドラ2、ギリ定員割れはしていないものの、キャンセル待ち待機者が現在非常に少なくなっています。
登録しておけば参加できる可能性が高いので、お暇な方よろしければ是非是非。
「大会サイトはコチラ」

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posted by Ford at 20:15| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする